研究ハイライト

2024年度の記録的海洋熱波、沖縄から本州まで
全国的なサンゴ白化を引き起こす

~北上しているサンゴにも深刻な影響~

2026.08.26

  • 琉球大学
  • 東京大学
  • 東北大学
  • 東海大学
  • 和歌山県立南紀熊野ジオパークセンター
  • 科学技術振興機構(JST)

 琉球大学の理学部海洋自然学科(横浜国立大学・地域連携推進機構クロスアポイントメント)栗原晴子教授に加えて東京大学大学院理学系研究科山野博哉教授および同大学大学院農学生命科学研究科安田仁奈教授、特定非営利活動法人OWS横山耕作代表理事、東北大学大学院理学研究科(東北大学・海洋研究開発機構 変動海洋エコシステム高等研究所 (WPI-AIMEC)兼務)安中さやか教授、東海大学海洋学部中村雅子教授、和歌山県立南紀熊野ジオパークセンター本郷宙軌主査研究員の研究グループは、2024年に日本沿岸を襲った記録的な海洋熱波(注1)が、沖縄・石垣島などのサンゴ礁海域から、本州沿岸の温帯海域に生息するサンゴ群集まで、広範囲に深刻な白化を引き起こしたことを明らかにしました。(図1参照)

 調査では、日本の黒潮流域沿岸8地点で海水温の熱ストレスとサンゴの白化状況を解析しました。2024年には全調査地点で極めて高い水温環境が観測され、対馬、田子島、沼津などの高緯度地点では、過去約40年間で最も高い高水温ストレスレベルに達しました。沖縄に加えて、多くの温帯地域でサンゴの大規模な白化および死滅が確認されました。さらに近年温暖化により高緯度域へと北上しつつあるミドリイシ属(Acropora)サンゴの多くも白化しました。

 本研究は、温帯域が熱帯性サンゴにとって将来の「気候避難地」となり得る可能性について重要な注意を促すものです。海が温暖化するペースは、サンゴが北へ分布を広げる速度や環境へと適応する能力を上回りつつある可能性があります。

 本成果は、2026年8月25日付で国際学術誌 Scientific Reports に掲載されました。

全国的なサンゴの大規模な白化が観測
図1 2024年日本列島を襲った海洋熱波は沖縄本島や石垣島のサンゴ礁域に加えて、
高知県竜串、和歌山県串本、長崎県対馬、静岡県の田子島および沼津地域で全国的なサンゴの大規模な白化が観測された。

(注1) 海洋熱波
海水温が過去数十年間と比較して顕著に高い状態が数日間(5日以上)続く現象

論文

論文名:Widespread coral bleaching across subtropical and temperate Japan under record marine heat stress
著者:Haruko Kurihara, Hiroya Yamano, Kohsaku Yokoyama, Sayaka Yasunaka, Nina Yasuda, Chuki Hongo, Masako Nakamura, Teruki Nagamine
掲載誌:Scientific Reports
DOI:10.1038/s41598-026-65095-2

詳細は 琉球大学 の
サイトをご覧ください。

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