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2025.6.20
2025年2月、WPI-AIMECユニットリーダー Cheryl Ames教授(東北大学農学研究科)が、Ocean Shotチームリーダー Jan Hemmi 教授(西オーストラリア大学)、Karen Osborn 博士(スミソニアン国立自然史博物館)、Kakani Katija博士(モントレー湾水族館研究所)と共同で提案した研究課題「大いなるフロンティアにおける発見:遠洋性動物の先進的イメージングとゲノミクス」が、笹川平和財団海洋政策研究所の研究助成プログラムOcean Shot第2回公募において、計2つの課題のうちの1つとして採択されました。
本チームは、既存の WPI-AIMEC の連携研究者で構成されており、John Burns博士(ビゲロー海洋科学研究所)を主任研究者が主導するもう一つの採択プロジェクトと緊密に連携します。このプロジェクトには、WPI-AIMEC 連携研究者Dhugal Lindsay博士(JAMSTEC X-Star)ら複数の国際共同研究代表者が参加します。
Ocean Shotは、海洋の生物種に関する発見や、それを支援する新しい技術開発への大規模な支援を行っています。本研究チームは、Ames教授のチームが率いる高度なゲノミクス研究を含む、2025年に開始される3年間のプロジェクトに対して、総額275万米ドルの助成を受けることになります。 本研究課題では、太陽光が届く光層の下方と深海底の間に広がる、光の届きにくい 「中深層域」 を対象とします。「トワイライト・ゾーン」とも呼ばれるこの中深層域は、アクセスの困難さから最も調査の遅れている領域の一つである一方、多くの生物多様性が存在すると推定されています。専用の研究航海を通じて、最先端のイメージング技術、ゲノミクス、環境 DNA(eDNA)、AI 解析 を組み合わせ、多様なデータを収集・整理・公開することで、中深層域に生息する生物の包括的データベースを構築することを目指します。本研究により、中深層における生物多様性の規模、とその進化過程を地球規模で解明することが期待されます。