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2025.11.28
2025年11月13日(木)、WPI-AIMECの建部 洋晶 研究員(JAMSTEC)が作成に参加した2025年度全球炭素循環収支報告書を、Global Carbon Project (GCP)が公表しました。
地球システムにおける炭素循環変動と人間活動による炭素排出量の定量化及びこれらの要因特定を目的として設立された国際プロジェクトGlobal Carbon Project は、Future Earthの枠組みのもと、全球二酸化炭素収支Global Carbon Budget (GCB)を毎年評価しています。
この評価では、いくつかの異なる方法を組み合わせて、地球全体でどれだけの二酸化炭素(CO₂)が出入りしているのかを調べています。具体的には、国や地域ごとにまとめた排出量のデータ、土地利用や生態系変化、海の中で炭素がどう動くかを計算するシミュレーションといった「下から積み上げる方法 (ボトムアップ評価手法)」と、大気中で実際に観測されたCO₂濃度と地表のCO₂の出入りの帳尻が合うよう推定する「上から計算する方法 (トップダウン評価手法)」を組み合わせています。これらを使うことで、化石燃料の燃焼によるCO₂排出量、森林伐採など土地利用の変化によって出るCO₂の量、大気中のCO₂の増え方、そして陸や海がどれだけCO₂を吸収しているかを求めています。
今回発表された2025年版へは、地球全体の気候変動と炭素を含む物質の循環の両方を再現可能な地球システムモデルと観測データとを組み合わせた融合的シミュレーションによるボトムアップ評価を建部 研究員が提供することで貢献を果たしています。

リンク
JAMSTECニュースルーム
http://www.jamstec.go.jp/j/jamstec_news/20251119/
Global Carbon Project
https://www.globalcarbonproject.org/index.htm
Future Earth
https://futureearth.org/about/who-we-are/
2025年度全球炭素循環収支報告書(Global Carbon Budget 2025)
https://essd.copernicus.org/preprints/essd-2025-659