コラム

海の杜(No.22、2026年3月1日)

AIMECグランドチャレンジ-その8 GC-5

 今回はAIMEC-GCsのGC-5「海洋生態系の変化予測による惑星スチュワードシップの促進」を取り上げます。これまでと同様、ウェブサイト記事(参考URL-1)と、「EarthArXiv」掲載論文(参考URL-2)を基に紹介します。まず、GC-5の概略です(参考URL-1)

 「WPI-AIMECでは、 高度な海洋生態系予測を実現するために、衛星観測、海面観測、人工知能(AI)を活用した最新の技術や海洋生態系のデータを取り入れた先進的な地球システムモデル(ESM)の構築を目指します。さらに、ステークホルダーが問題の特定段階から参画する超学際的なアプローチを導入し、これらの知見を一般社会に向けて分かりやすく発信・共有することで、気候-海洋-生態系の変化、海洋環境の保護と回復、SDGsの達成に向けた国際的な政策や規範形成などの『惑星スチュワードシップ』の促進に貢献します。」

 このGC-5は本AIMEC事業の集大成として位置付けられるものであり、そのアウトカムは「惑星スチュワードシップの促進」として結実することになります。「惑星スチュワードシップ」とは、「惑星(地球)を健全で持続可能な環境に保つための行動規範を伴う管理と運用」のことです(本コラム6参照)。もし、現在の人類の活動が健全で持続可能な地球環境を改変し破壊するようなものであれば、警告を発するとともに、具体的に活動・行動の変容を求めることになります。

 具体的には、まず、GC-1からGC-4で、現在進行しつつある地球温暖化や海洋酸性化、そして貧酸素化の現状とそれに対する海洋生態系の応答を観測・監視し、その変動の仕組みを様々な時空間スケールで解明します。本GC-5ではこれらの成果を下に、先端的な地球システムモデル(ESM:本コラム13・14参照)を構築し、考えうる様々な前提条件(「シナリオ」とも表現できます)の下で将来予測(projection)をします。そしてこれらの予測結果を基に、地球の環境と海洋生態系が健全で持続可能な姿を提示することで、最終目標である「惑星スチュワードシップの促進」を達成することになります。

 GC-5の目標を達成するため、より具体的な5つの特定課題(Specific challenges)、8つの主要問題(Key questions)、5つの取組方法(Approaches)が設定されました(参考URL-2)

 本AIMEC事業の成果は様々なレベルで社会へと還元されますが、その集大成はここで述べた「惑星スチュワードシップの促進」です。かけがえのない海洋環境と多様で豊かな生態系の保全の実現に、AIMECは貢献していきます。

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